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成人の多くが無自覚のまま罹っている歯周病。初期段階では痛みなどの自覚症状が乏しいため、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。実は、日本の成人の約7〜8割が何らかの歯周病にかかっていると言われています。歯周病は放置すると歯を支える骨が溶けてしまい、最終的には歯を失う原因にもなります。今回は、成人の歯周病罹患率の実態や、歯周病になりやすいリスク要因、そして予防のために日常生活でできる対策について解説していきます。
1. 成人の歯周病罹患率は何パーセント?
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が細菌によって炎症を起こし、進行すると歯を失う原因にもなる病気です。では、日本ではどの程度の人が歯周病にかかっているのでしょうか。
①厚生労働省の調査によると、成人の約7〜8割が歯周病に罹患
厚生労働省が実施した「令和4年 歯科疾患実態調査」によると、35歳以上の成人のおよそ80%が歯周病の兆候を有しているとされています。特に40代以降では、重度の歯周病が見られる割合も高くなる傾向にあります。
②若年層でも予備軍は多い
20代〜30代でも「歯ぐきから出血する」「歯ぐきが腫れる」などの初期症状を訴える人が増えており、自覚がないまま経過することもあるため注意が必要です。
③年齢とともに進行リスクが高くなる
年齢を重ねるにつれて歯ぐきの免疫力が低下し、歯周病菌への抵抗力が弱まるため、発症率や重症化のリスクも高くなります。
④歯周病は多くの人に見られる身近な病気
風邪のように幅広い年代で発症することから、誰にとっても身近な疾患といえるでしょう。だからこそ、予防と早期発見が非常に重要です。
歯周病は一見すると「痛くない」ことも多く、自覚症状がないまま進行するのが特徴です。まずは現状の罹患率を正しく理解し、日常生活の中で予防に取り組む意識を持つことが大切です。
2. 成人の歯周病のリスク要因
歯周病の発症や進行には、さまざまなリスク因子が関与しています。まずは自分がどのようなリスクを抱えているかを知ることが、予防の第一歩です。
<歯周病のリスク要因>
①口腔内の清掃状態が不十分
最も一般的なリスクは、歯垢(プラーク)がたまることによる細菌の繁殖です。歯磨きが不十分だと、歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの間にたまり、細菌が増殖して歯周病が進行します。
②喫煙習慣
タバコに含まれる有害物質は、歯ぐきの血流を悪化させ、免疫反応を低下させます。喫煙者は非喫煙者に比べ、歯周病が重症化しやすい傾向にあります。
③糖尿病などの全身疾患
糖尿病は歯周病と深い相関があり、血糖値が高い状態が続くと歯ぐきの免疫力が下がり、歯周病のリスクが高まります。さらに、歯周病が糖尿病の症状を悪化させることもあります。
④ストレスや睡眠不足
ストレスが多いと免疫機能が低下し、歯周病菌に対抗しにくくなります。さらに歯ぎしりや食いしばりも悪化要因となります。
⑤口呼吸や歯並びの悪さ
口呼吸は口腔内の乾燥を引き起こし、細菌が繁殖しやすくなります。歯並びが悪いと磨き残しも増え、歯周病の原因になります。
こうしたリスク因子を複数持つ場合、歯周病の進行が早まる可能性があるため、定期的なチェックと日頃の予防ケアが重要です。
3. 成人の歯周病予防法
歯周病は、毎日のセルフケアと生活習慣の見直しにより予防や進行の抑制が可能な病気です。特に初期の段階であれば、適切な対応によって健康な歯ぐきの状態を維持することができます。以下のような6つの予防法を、日常生活に取り入れてみましょう。
<歯周病の予防法>
①正しい歯磨き習慣を身につける
毎日の歯磨きでは、歯と歯ぐきの境目に沿って丁寧に磨くことが大切です。強く磨きすぎず、やさしくブラッシングすることで歯ぐきを傷めずに清掃できます。歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると、歯と歯の間の汚れも効果的に除去できます。
②定期的に歯科検診を受ける
自覚症状がなくても、定期的に歯科医院で検診を受けることで、歯周病の早期発見と早期治療が可能になります。歯石除去や歯周ポケットのチェックなど、専門的なケアが予防につながります。
③バランスの取れた食生活を意識する
栄養バランスの良い食事は歯ぐきの健康維持に欠かせません。ビタミンCやカルシウムを含む食品を積極的に取り入れ、糖分の過剰摂取を避けましょう。
④口腔環境を守るため禁煙する
喫煙は歯ぐきの血流や免疫機能に影響を及ぼす可能性があるとされており、禁煙が口腔内環境の改善につながることもあります。
⑤ストレス管理と十分な睡眠
ストレスや睡眠不足は免疫力を下げ、歯周病菌に対する抵抗力が落ちるといわれています。規則正しい生活で心身の健康を保ちましょう。
⑥口腔内の乾燥を防ぐ
口呼吸や長時間の会話などにより口腔内が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなります。こまめな水分補給やマスクの活用で湿度を保つことで、乾燥の予防が期待できるでしょう。
4. 大阪府交野市の歯医者 太田歯科医院の歯周病治療
太田歯科医院は、交野市の地域に根ざした『かかりつけ医』を目指しています。
20年以上の治療経験を持つ院長をはじめ、歯科医師一同「患者さん自身の歯を1本でも多く残すこと」を大切にしています。
太田歯科医院の歯周病治療では、「歯周病がどれぐらい進んでいるのか?」「進行スピードはどうか?」など、患者さんの歯周組織(歯ぐきや骨)の現状を把握し、一人ひとりの進行状況に合わせて段階を踏んだ治療を提案しています。
♦基本的な歯周治療
歯科医師・歯科衛生士による歯周ポケットのプラーク除去を行いブラッシング指導を行います。
なるべくご自身の歯を残していただくために、ご自宅でも出来るケアをお伝えしています。
♦重症化した歯周病の外科的治療
深い歯周ポケットにある歯石を除去するためのフラップ手術や、溶けてしまった歯の骨や歯根膜を再生させるための歯周組織再生治療など多数の外科的治療の中から状況に応じた最適な治療を提案します。
歯周病治療は、①歯科医師による治療、②歯科衛生士による専門的なケア、③患者さんご自身によるホームケアの3つの柱に支えられています。
患者さんの歯周病への理解と協力がとても大切ですので、ご自身のお口の状態をなるべくわかりやすくご説明をさせて頂き、ご理解頂けるよう努めております。
↓↓↓交野市の歯医者 太田歯科医院の診療案内↓↓↓
https://otadentalclinic.com/medicalinformation/
まとめ
成人の約7〜8割がかかっているとされる歯周病は、自覚症状のないまま進行し、歯の喪失や全身疾患のリスクを伴うこともあります。毎日の丁寧な歯磨きや定期検診、生活習慣の見直しが、歯周病予防のために重要です。歯ぐきの腫れや出血など、気になる症状に気づいたときは、口腔内の健康状態を見直すことが大切です。
大阪府交野市で歯周病治療や歯周病予防についてお困りの方は、太田歯科医院までご相談ください。
監修:太田 貴之
経歴:
1997年 大阪歯科大学 卒業
1998年 大阪歯科大学臨床研修 終了
1999年 尼崎市 久井歯科医院 勤務
2003年 佐古歯科医院 勤務
2005年 医療法人 太田歯科医院 開業
所属学会:
日本口腔インプラント学会 専修医
日本口腔インプラント学会 会員
大阪口腔インプラント研究会 会員
