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鏡を見るたびに「なんだか歯ぐきが下がってきた気がする」と感じたことはありませんか?加齢によって歯ぐきがやせて見えるのは自然な変化と思われがちですが、実は歯周病の初期症状である可能性もあります。歯ぐきの健康は、歯の寿命にも深く関係します。しかし、「いつからケアを始めればいいのか分からない」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、歯ぐきの衰えが始まるタイミングや歯周病のサイン、そして日常生活でできる予防習慣について解説します。大切な歯を守るために、早めの対策を心がけましょう。

1. 歯ぐきの衰えはいつから?歯周病のはじまりのサイン

歯ぐきの衰えは40代以降に気づかれることが多いですが、20代〜30代の早い段階から始まっていることもあります。とくに歯周病は初期には自覚症状が少ないため、気づいたときには進行しているケースもあります。次のような症状が見られる場合、歯ぐきの変化が進行している可能性があります。

①歯ぐきの腫れや出血

歯磨きの際に歯ぐきから出血したり、腫れぼったい感覚がある場合、炎症が起きている可能性があります。これは歯周病の初期に多く見られるサインです。

②歯が長く見える

歯ぐきが下がると歯の根元が露出し、歯が以前より長く見えることがあります。この状態が続くと、知覚過敏やむし歯のリスクが高まる可能性があります。

③口臭が気になる

歯周ポケットにたまった汚れが原因で細菌が繁殖し、口臭が強くなることがあります。とくに慢性的な口臭は、歯ぐきの健康状態と関連していることがあります。

④歯がグラグラする

歯を支える骨が減少すると、歯が動くようになります。これは進行した歯周病の症状の一つであり、早期の対応が必要です。

⑤硬いものが噛みにくくなる

歯の安定性が低下すると、噛む力に影響が出て、固い食べ物を避けがちになる方もいます。

こうした変化に気づいた場合は、早めに歯科医院での検査とケアを検討することが大切です。

 

2. 歯周病予防はいつから始めるべき?

「歯周病の予防はいつから始めるべきか?」という問いには、「できるだけ早く始める」ことが望ましいとされています。歯周病は一度進行すると元に戻すのが難しいため、予防的な取り組みが重要です。

<歯周病の予防はいつから始めるべきか?>

①10代からの習慣づけが理想的

歯周病は30代以降に発症するケースが多いとされていますが、原因となる歯垢の蓄積は10代から始まります。中学生や高校生のうちに正しい歯磨きの習慣を身につけ、将来的な歯ぐきの健康維持につなげましょう。

②20代は予防意識を高める時期

社会人になり生活リズムが乱れがちなこの時期は、セルフケアの質が重要になります。歯科医院での定期検診やクリーニングも取り入れ、口腔内の状態をチェックする習慣をつけましょう。

③30代以降はメンテナンスの継続がカギ

歯周病のリスクが高まる30代以降は、日常のケアに加えて、歯科でのプロフェッショナルケアを受けることが推奨されています。とくに妊娠・出産期の女性は、ホルモンバランスの変化により歯ぐきが影響を受けやすいため注意が必要です。

<なぜ歯周病の予防が必要なのか?>

①症状が出てからでは対処が難しい場合もある

歯周病は痛みが出にくく、気づいたときにはすでに進行していることがあります。定期検診やスケーリングによって、初期段階での対応が可能になります。

②全身の健康との関連が指摘されている

歯周病は、糖尿病、心疾患、早産などとの関連性があると報告されており、口腔内の健康は全身にも影響を与える可能性があります。

予防を早く始めることで、歯ぐきの衰えや歯の喪失リスクを軽減できる可能性があります。日常生活に取り入れやすい習慣からスタートしましょう。

 

3. 歯周病予防のための習慣

歯周病を予防するためには、日常的なセルフケアの積み重ねが大切です。歯科医院での処置だけに頼らず、自宅でのケアを継続することが基本です。

①正しい歯磨きの習慣を身につける

毎日の歯磨きは、歯周病予防の基本です。特に「歯と歯ぐきの境目」を意識して、力を入れすぎずに優しく磨くことが大切です。また、歯ブラシは1ヶ月を目安に交換すると、効果的なブラッシングが維持できるでしょう。

②デンタルフロスや歯間ブラシの使用

歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間の汚れは、フロスや歯間ブラシで除去するのが効果的です。毎日のケアに無理なく取り入れましょう。

③ 定期的なクリーニングの受診

歯石や蓄積した汚れはセルフケアだけでは取りきれないことがあるため、3〜6ヶ月ごとのクリーニング(スケーリングなど)を習慣にすることが、歯ぐきの健康維持につながると考えられています。

④喫煙を控える

喫煙は歯ぐきの血流に影響を与える可能性があるとされており、歯周病の進行リスクに関係すると報告されています。口腔内だけでなく全身の健康管理の一環として、禁煙を検討することも大切です。

⑤生活習慣を整える

睡眠不足やストレス、栄養バランスの偏りは、免疫機能に影響を及ぼすことがあるとされており、歯ぐきの健康にも関係する可能性があります。生活習慣を整えることが、口腔内の健康維持につながることもあります。

これらの習慣を意識して続けることで、歯周病の予防だけでなく、口腔内全体の健康維持も期待できます。

 

4. 大阪府交野市の歯医者 太田歯科医院の歯周病治療

太田歯科医院は、交野市の地域に根ざした『かかりつけ医』を目指しています。
20年以上の治療経験を持つ院長をはじめ、歯科医師一同「患者さん自身の歯を1本でも多く残すこと」を大切にしています。

太田歯科医院の歯周病治療では、「歯周病がどれぐらい進んでいるのか?」「進行スピードはどうか?」など、患者さんの歯周組織(歯ぐきや骨)の現状を把握し、一人ひとりの進行状況に合わせて段階を踏んだ治療を提案しています。

♦基本的な歯周治療

歯科医師・歯科衛生士による歯周ポケットのプラーク除去を行いブラッシング指導を行います。
なるべくご自身の歯を残していただくために、ご自宅でも出来るケアをお伝えしています。

♦重症化した歯周病の外科的治療

深い歯周ポケットにある歯石を除去するためのフラップ手術や、溶けてしまった歯の骨や歯根膜を再生させるための歯周組織再生治療など多数の外科的治療の中から状況に応じた最適な治療を提案します。

歯周病治療は、①歯科医師による治療、②歯科衛生士による専門的なケア、③患者さんご自身によるホームケアの3つの柱に支えられています。
患者さんの歯周病への理解と協力がとても大切ですので、ご自身のお口の状態をなるべくわかりやすくご説明をさせて頂き、ご理解頂けるよう努めております。

 

まとめ

歯ぐきの衰えは40代以降に感じる方が多いとされていますが、実際にはもっと早い段階から始まっている可能性もあります。歯周病は初期症状がわかりにくいため、日頃のセルフケアと定期的な歯科受診によるチェックが重要です。正しい歯磨きや生活習慣の見直しを通じて、歯ぐきの健康を守ることは、将来の歯の寿命にも関わってきます。

交野市・枚方市周辺で歯周病の予防やケアについてお悩みの方は、太田歯科医院までご相談ください。

 

監修:太田 貴之


経歴:
1997年 大阪歯科大学 卒業
1998年 大阪歯科大学臨床研修 終了
1999年 尼崎市 久井歯科医院 勤務
2003年 佐古歯科医院 勤務
2005年 医療法人 太田歯科医院 開業

所属学会:
日本口腔インプラント学会 専修医
日本口腔インプラント学会 会員
大阪口腔インプラント研究会 会員